マルスさんとマダムマルス

ISBN978-4-909749-14-7 定価2500円(税込)

 

画家・絵本作家 ささめやゆきの原郷ともいうべき幻の絵本を
新装版で復刊。
若き画家が暮らしたフランス・ノルマンディ半島の小さな町。
海辺の町の静かな時間の流れと、そこで暮らす人々の日常を描く。

もし人にその核となる時間と空間があるとするならば
 ボクはまちがいなくこの町をさすだろう。(あとがきより)

日めくりカレンダーをめくってもめくっても
同じような一日しかやってきません。
でも本当は今日は昨日ではないし、
明日は今日とちがう一日なのです。

こうして日がしずみ、夜がきて、また朝がくるのでしょう。
光と陰、太陽と月とのくりかえしに
誰も気がつかないけれど、すこしずつすこしずつ
私たちも社会も変ってゆくのです。

 

あれから20年。
いまでもわたしは、ノルマンディ半島の小さな町を空想の中で訪れて、
愛しい人々と再会する。———落合恵子

(2004年7月25日 毎日新聞より 落合恵子さん)
折に触れて読み返したくなる本が誰にでも幾冊かあるだろう。わたしにもむろん。その中の一冊に、ささめやゆきさんの『マルスさんとマダムマルス』がある。ノルマンディ半島の小さな村。一軒しかないカフェの階上で、作者が暮らした「はる なつ あき ふゆ」を描いた絵本である。
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